紫外線の影響はどのようなもの?
紫外線とは?
太陽から降り注ぐ光線には、私たちの目に見える「可視光線」の他に、「赤外線」「紫外線」「X線」「ガンマ線」などが含まれています。
その中の紫外線は、波長の長さで「A波(UVA)」「B波(UVB)」「C波(UVC)」に分けられます。波長が短いほど身体への影響は大きいです。
UVCは最も細胞外傷性が強いのですが、オゾン層などに吸収されてしまいますので、地表にはほどんと届いていません。
UVBは一部が地表へ到達し、皮膚や眼に有害です。
UVAはUVBほど有害ではないのですが、長時間浴びた場合の健康への影響は懸念されています。
紫外線は散乱・反射をします
紫外線は非常に散乱しやすいため、私たちが浴びる紫外線の半分以上は、直接太陽から照射されたものではなく、大気中の粒子で散乱したり、地面や建物に反射して跳ね返ったものです。それがよく分かる例として、スキー選手が日焼けしてゴーグルの跡がくっきりついているのは、雪で紫外線が反射したためです。
あらゆる方向から紫外線を浴びることになるので、正面からの紫外線だけでなく、上方・下方・側方・背後からの紫外線にも注意する必要があります。
また、その量は100メートル高度が上がるごとに1%増加すると言われています。※気温には比例しません。
つまり、1,000mの高さの山に登ると、平地より紫外線量がおよそ10%増えるということになります。
夏の浜辺のレジャーもそうですが、冬の新雪が積もった雪山では80%の反射率の上、平地より紫外線量が多いので、紫外線ケアが大切です。
朝夕より昼間の方が日焼けをする
紫外線が多く降り注げば日焼けすることは、皆さんが理解をされていることですが、なぜ昼間に多く紫外線が降るのでしょうか?
太陽の光は、オゾン層などの大気の層を通り、大気中のチリや雨、雲などに少しずつ吸収され、拡散しながら地表に届きます。大気の層というフィルターを通るようなイメージです。
そのフィルターが厚ければ厚いほど、届く紫外線の量は少なくなります。太陽と大気の層の位置関係が右の図です。朝夕は太陽の位置が低いので、太陽の光が通らなければならない大気の層のフィルターが厚くなります。そのため、紫外線の量が少なくなります。
お昼は太陽の光が通る大気の層のフィルターが薄くなるので、朝夕よ比べて紫外線の量が多くなるのです。そのため日焼けをしやすくなるのです。
お肌が日焼けをするように眼も日焼けをします
お肌のように黒くなることはありませんが、目が日に焼けると様々なトラブルが発生します。
目は網膜に到達した光(可視光線)を感知して、情報を脳に与える重要な感覚器です。光は情報を伝えるための大切なシグナルですが、多量の紫外線を浴びると、様々な障害が現れてくるのです。
目が日焼けをすると、下図のような症状が起こります。これは角膜が強い紫外線を浴びて炎症を起こすのです。
普段は、紫外線を浴びた数時間後に発症し数日程度で治まります。しかし、紫外線が蓄積すると、水晶体に影響を及ぼし白内障の原因になります。白内障は、水晶体が濁って視力が低下し、視界がぼやけたように見える病気です。
シミ・そばかすの原因にも!!
また、お肌が紫外線を受けていなくても、目が強い紫外線を受けると、日焼けと同じ現象が起こるということが実証されています。
目に強い紫外線があたり、目の細胞にダメージが生じると、脳は「メラニンを作れ」と、指令を出します。結果、肌に強い紫外線が当たらなくても、シミ・そばかすができる原因になります。
紫外線は乱反射しますので、隙間があれば入り込んできてしまいます。そのため、紫外線が入りにくいお顔にぴったりとフィットしたグラスでの予防が大切です。
サングラスを選ぶポイント
ポイント1:レンズの可視光線透過率をチェック!
サングラスを選ぶときに重要なのが、紫外線カット率です。「紫外線透過率~%」と表示されています。
1%未満ですと、カット率は99%以上となります。紫外線透過率と共に、重要なのが可視光線透過率です。
可視光線透過率とは、光を通す割合のことで、0~100%の数値で表されます。
透過率が低くなれば(0%に近い)光をカットし、高くなれば(100%に近い)光を通します。
透過率 | 利用シーン |
---|---|
100~75% | 夜間使用に適している |
70~40% | 目が透けて見えるため、目の動きや表情が分かりやすくどのようなシーンでも着用できる |
30~8% | 日中や日差しの強い日に適している |
8%以下 | 運転の際には着用できない |
ポイント2:レンズのカラーでどう違うの?
クリアー
極めて裸眼に近い明るい視界を確保するカラーです。夜間、室内などでも使用できます。
イエロー系
エネルギーが強い短波長を大きくカットし、明るさを感じる領域を大きく透過させます。そのため、夜間や夕暮れ時などの使用に効果的です。物を鮮明に見せる効果もあります。
ブルー系
黄色の光を減らし、ヘッドライトなどの防眩効果が高いカラーです。ピンク系
他のカラーに比べ、防眩効果は少ないですが、血色の良い、明るく美しい肌に見せることができます。レッド系
短波長、中間派長を大きくカットし、黄色、橙、赤の領域を通すことで、赤系の色が見やすくなるコントラスト効果が得られます。ブラウン系
人が明るく感じる光の領域を通すため、コントラストを高める効果があります。エネルギーが強い短波長をカットします。グレー系
光を平均的にカットするため、見え方が自然で、防眩効果が高いカラーです。日差しの強い日に最適なカラーです。ポイントまとめ:サングラスを選ぶポイントは?
紫外線についての説明をしてきましたが、目の外敵は紫外線だけではありません。花粉やホコリ、微細な粉塵など様々あります。それらからも目を守るために、サングラスを選ぶポイントがあります。
- 紫外線を遮断するUV加工処理がしてあるレンズを選びましょう。
- 上方や横からの紫外線を考慮して、レンズの大きいもの、目を覆うようなピッタリガードタイプのものを選びましょう。
アイケアライフスタイル
エリカ オプチカルが提案しているアイケアライフスタイル
エリカ オプチカルは、アイケアライフスタイルを提案しています。アイケアライフスタイルとは、目の健康を意識して、それぞれのスタイルに応じたアイケア(EYE CARE)を行い、快適な視生活を送ることです。それが、皆さまの楽しく快適なライフスタイルの充実に繋がると考えているからです。
提案している理由は2つあります。
1つ目は、近年の目を脅かす環境です。オゾン層の破壊による紫外線量の増加や、スマートフォンやタブレットなどの普及による視環境が著しく変化したことが背景としてあげられます。それらの影響により、現在65歳以上の方の約8割に、白内障をはじめとした眼疾患を有し、若年層では中学生の3分の1、高校生の3分の2が視力1.0以下となっており、視力低下の歯止めが効かない状態です。
2つ目は、日本の目を守る取り組みがまだまだ進んでいないことです。海外では、有害な紫外線から子どもの目を守るため、サングラスの着用が制服の一部として義務付けられている国もあります。日本では、サングラスはファッションアイテムとしてのイメージがまだまだ強く、衣服や日焼け止めのように、予防としてサングラスが着用されることが少ないと感じています。子どもの間に浴びた紫外線(有害光線)が何十年も後に眼病となって現れ、それから対策をするのでは遅いので、日常生活から目をケアするという意識を持ってほしいのです。
高齢化社会にともない、「健康寿命」が注目されています。私たちは当たり前のように物が見え、それが当たり前かのように毎日を過ごしています。しかし、忙しい日常の中で、自分自身の身体のこと、目のことを意識して生活していくことは、何かきっかけがない限り難しいことではないでしょうか。
そこで私たちは、眼鏡の産地である福井から、「皆さまの眼をあらゆる危険物から守る」をスローガンに、安全性と快適性を追求し、眼を守るエキスパートとして製品開発に取り組んでいます。実証データに基づいた安全性、重さを感じさせない快適な掛け心地の追求、生活スタイルに応じて眼を守る機能に特化した製品をご提案することで、皆さまのアイケアスタイルのきっかけのひとつになることを願っております。